はじめに
HSPの人にとって、働く環境はとても重要です。
職場の人間関係や仕事の内容によって、ストレスの感じ方が大きく変わるため、できるだけ自分に合った仕事を選びたいと考える人も多いでしょう。
そんなときに役立つのが資格です。
資格を取得しておくことで、自分に合った働き方の選択肢が広がり、転職や独立を考える際にも有利になります。
特にHSPの人は、静かに集中できる仕事や、ルールが明確で安心できる職種が向いていることが多く、資格を持っていることで、そうした仕事に就くチャンスが増えます。
今回は、資格試験に一発合格するための勉強法を紹介します。
効率よく学習を進めるためのポイントを押さえながら、自分に合った方法で試験対策を進めていきましょう。
ステップ① まずは過去問を1問だけ解いてみる
★「テキスト」を開く前に過去問を解く理由
資格試験の勉強を始めるとき、多くの人は最初にテキストを読もうとしてしまいます。
しかし、いきなりテキストを開くと「何が重要なのかもわからない」「情報が多すぎて混乱する」と感じて、学習のモチベーション自体が下がってしまうことがあります。
そこで、まずは過去問を1問だけ解いてみることが重要です。
試験の問題形式を知ることで、「こういう形の問題が出題されるんだな」とイメージをつかみやすくなります。
最初の1問は、正解できなくても問題ありません。
問題の意味が分からなくても、解説を読んで「こういう考え方をすればいいのか」と理解するだけでも十分な学習効果があります。
解説を見ながら解く
1問解いたら、すぐに解説を確認しましょう。
このとき、解説を読む目的は「答えを暗記すること」ではなく、「なぜこの答えになるのか」を理解することです。
解説を読んでいると、「あぁ、そういうことか」といった気づきがすくなからず得られます。
過去問の解説には、試験で問われやすい知識が凝縮されています。
まずは「最初の1問」を解き、解説をしっかり読むことで、次の学習ステップ進むモチベーションを作りましょう。
ステップ② 過去問を5年分「1問ずつ」遡って解く
★令和5年→令和4年→令和3年…と1問ずつ解く
過去問を1問解いたら「年度を遡りながら1問ずつ解く方法」を実践します。
一般的な勉強法では、1年分の過去問をまとめて解くことが多いですが、全くわからないことの勉強を進めていくのはすごく苦痛です。
そのため、例えば令和5年の1問目を解いたら、次は令和4年の1問目、次は令和3年の1問目…というように
「1問」ずつを、過去の年度に遡りながら進めていきます。
この方法を取ることで、「出題されている問題の傾向」「年によって出題頻度が変わる分野」を自然に把握することができます。
出題傾向を把握し、知識の土台を作る
過去問を解くときは、ただ答え合わせをするのではなく、出題傾向を意識することが重要です。
例えば、ある年度では基本的な知識を問う問題が出題され、別の年度では応用問題に発展していることがあります。
こうした違いに少しでも気づくことで、同じテーマでも問われ方が異なることを理解しやすくなります。
また、5年分をこの方法で解くと、「この問題はさっきも出たな」「このテーマは試験の重要ポイントだ」といったことがだんだんと分かるようになってきます。
そして、この段階でも、正解できなくて焦る必要はありません。
大事なのは、どのような問題が出るのかを掴むことです。
1問ずつ解いて遡る学習法は、試験に出やすいポイントを最短で把握するための効率的な方法です。
これを「5年分」続けることで、試験で問われる知識の土台がしっかり作られ、次のステップへスムーズに進めることができます。
※ちなみにこの段階で、過去問に「蛍光ペン」などで印を付けるのはやめておいた方がいいです。
(理由はステップ⑥で解説します)
ステップ③ 過去問を「5問ずつ」解いて試験形式に慣れる
★ここでも1年分ずつではなく、5問ごとに違う年度の問題を解く
過去問を1問ずつ遡る方法で試験の出題傾向が見えてきたら、次は「5問ずつ解く」方法に移行します。
このステップでも、1年分を通しで解くのではなく、5問ずつ解いたら別の年度の5問を解く という流れで進めます。
②と同じですが、次のように進めます。
・令和5年の1~5問目を解く
・令和4年の1~5問目を解く
・令和3年の1~5問目を解く
この方法を取ることで、異なる年度の問題を比較しながら学習でき、より深い理解につながります。
また、5問ずつ解くことで集中力を保ちやすくなり、試験本番のペース配分にも慣れることができます。
解けなくても焦らず、繰り返しで知識を定着させる
この段階でも、「全問正解すること」を目指すのではなく、「問題のパターンに慣れること」を目的とします。
最初は解けない問題が多くても、繰り返し解くことで徐々に知識が定着していきます。
また、試験では異なる年度でも似たようなテーマの問題が出題されることが多い ため、5問ずつ解くことで「同じ知識を違う形で問われたときに対応できる力」が養われます。
重要なのは、間違えた問題を放置しないことです。
間違えた場合は、「なぜ間違えたのか?」を解説で確認し、同じミスをしないように意識して次の年度の問題に取り組むようにしましょう。
この方法を続けることで、知識が定着し、試験本番で応用が利くようになります。
試験の出題形式に慣れることができるため、次のステップでテキストを活用する準備が整います。
④ ここで初めてテキストを開く
★過去問を解いた後だから、テキストの内容がスルスル入る
ここまでの学習で、過去問を1問ずつ解き、5問ずつ解くことで試験の出題傾向が見えてきたはずです。
この段階で初めてテキストを開きます。
最初にテキストを読んだ時「覚えるべきポイントが分からない」「情報が多すぎて混乱する」と感じやすかったと思います。
しかし、過去問をある程度解いてからテキストを読むと、「あ、この内容はさっきの問題に出てきた!」と、ポイントが明確になり、知識の定着がものすごくスムーズになります。
この方法を取ることで、テキストを読むこと自体が「試験対策の一環」となり、ただの暗記作業ではなく「試験に必要な知識を確認する時間」に変わります。
試験に出る部分を重点的に理解できる
テキストを読むときは、これも「最初から最後まで通読する」のではなく
「過去問に関連する部分をその都度、重点的に読む」ことが重要です。
- 過去問で間違えた問題の解説に書かれているページを読む
- 理解が曖昧な箇所は、問題を解いた後にもう一度テキストを確認する
- 過去問に出てきていないところも目を通しておく
このように進めることで、テキストを効率よく活用でき、試験で必要な知識を無駄なく習得することができます。
このステップでは、テキストを「知識を補うための道具」として使う意識を持つことが大切です。
過去問を解いた経験を活かしながら、出題傾向に沿った学習を進めましょう。
⑤ ③と④を繰り返し、出題範囲の全体をカバーする
★5問ずつ解きながらテキストで補強する
ここまでのステップで、過去問を1問ずつ解いて試験の傾向を掴み、5問ずつ解くことで知識が定着してきました。
そして、過去問をある程度解いた後にテキストを読むことで、知識がさらに深くなりました。
このステップでは、③と④のプロセスを繰り返しながら、試験範囲の全体をカバーしていきます。
過去問を5問ずつ解くことで、実際の試験形式に慣れつつ、間違えた部分をテキストで補強しながら進めていきます。
この学習法のポイントは、「過去問を解く→テキストで復習→また過去問を解く」というサイクルを繰り返すことで、知識を定着させることです。
試験で問われる知識の優先順位をつかむ
試験の範囲は広いため、すべてを均等に学習しようとすると、時間が足りなくなってしまいます。
そのため、過去問の出題頻度を見ながら、「よく出題されるテーマ」と「あまり出題されないテーマ」の優先順位をつけることも重要です。
- ・過去5年分の問題を見て、頻出しているテーマ(数字なども)忘れないようにする
- ・何度も出ている問題は、確実に正解できるようにする
- ・テキストの中でも「過去問で問われた部分」を意識して復習する
このステップを繰り返すことで、試験で必要な知識を効率よく習得し、合格に向けた準備を万全にすることができます。
⑥ セクションごとに過去問を解き、分野別対策をする
このステップでは、試験範囲をセクションごとに区切り、分野ごとに徹底的に学習する 方法を取り入れます。
仮に、宅建試験の場合は以下のように分けて学習すると効果的です。
・権利関係(民法)
・宅建業法
・法令上の制限
・税・その他
このように分野ごとに過去問を解くことで、試験本番での解答スピードを上げるだけでなく、知識の整理がしやすくなります。
特に、試験で配点が高い分野を優先的に学習することで、効率的に得点を伸ばすことも可能です。
すぐに解説を見ず、一定数解いてから答え合わせする
セクションごとの学習では、「すぐに解説を確認しない」ことがポイントです。
- 権利関係なら、まず1年分の権利関係の問題を解く
- 権利関係1年分を一通り解いた後で、答え合わせをする
- 次に、違う年度の権利関係の問題を解く
この方法を取ることで、1つの分野を集中して学ぶことができ、出題パターンを掴みやすくなります。
さらに、同じ分野の問題を続けて解くことで、解答のスピードも上がります。
解答をチェックするときは、「なぜこの答えになるのか?」を考えながら、テキストを活用して復習すると、知識の定着率が高まります。
このセクションを実践することで、各分野の理解を深め、試験本番での得点力を大きく向上させることができます。
※この段階くらいから、過去問に蛍光ペンで印を付けてみましょう
なぜ、この段階かというと、勉強初期の段階で蛍光ペンで印をつけてしまうと
それがヒントとなってしまい「過去問題にただ正解する」ということが目的になってしまうからです。
⑥のセクションまでくれば、多くの問題に「自信」を持って回答できるようになってきています
⑦ 1セクションごとにテキストで復習する
★間違えた箇所や曖昧な知識をここで固める
セクションごとに過去問を解くことで、それぞれの分野の出題傾向を把握しやすくなりました。
しかし、過去問を解いただけでは、知識が定着しないこともあります。
そのため、1つのセクションを解き終えたら、必ずテキストで復習をする ことが重要です。
過去問を解いた際に、次のような問題が出てきた場合は特に注意しましょう。
- なんとなく解けたが、正確な根拠が説明できない問題
- 過去問の解説を読んでも、いまいち理解できなかった問題
- 毎回間違えてしまう、苦手な分野の問題
これらの問題は、本番でも間違えやすい傾向があるため、テキストを使って正確に理解することが大切 です。
知識の抜け漏れを防ぎ、確実に点数を上げる
テキストを使った復習をする際には、次の方法を意識すると、より効果的に学習を進めることができます。
- 間違えた問題に関連するテキストのページを開き、その知識を補強する
- 「なぜこの答えになるのか?」を意識しながら、解説とテキストを照らし合わせる
- 要点をメモにまとめ、次に同じ問題が出たときに正しく解答できるようにする
また、試験直前に見直すために、自分が間違えたポイントをノートや付箋にまとめておく と、本番前の短時間の復習がスムーズになります。
1セクションごとにテキストで復習することで、学習の抜け漏れを防ぎ、確実に点数を取れる状態を作る ことができます。
このステップを繰り返すことで、本番での正答率を大幅に向上させることが可能になります。
⑧ 一度、過去問を1年分通しで解く
★本番を意識して、試験と同じ形式で時間を測って解く
このステップでは、実際の試験と同じ形式で過去問を1年分通しで解きます。
試験本番を意識することで、ペース配分の感覚を身につけることができ、どの分野に時間がかかるのかも把握できます。
また、集中力を維持する練習にもなり、長時間の試験に慣れることができます。
このとき、途中で答え合わせをせずに、一気に最後まで解き切ることが大切です。
制限時間を設定し、本番と同じ環境で解くことで、実際の試験を受けるときの感覚に近づけます。
※1年通しで解く過去問(模擬テスト)は古い年度から新しい年度順にやっていくのが個人的にオススメです
今の実力を知り、残りの勉強方針を決める
1年分を通しで解いたら、自己採点を行い、現在の実力を確認します。
何点取れたのかを記録し、目標点との差を把握することで、あとどれくらい点数を伸ばす必要があるのかが明確になります。
どの分野で失点が多いのかを分析することも重要です。
苦手な分野がはっきりすれば、残りの学習時間でどこを重点的に復習するべきかが分かります。
時間が足りなかった場合は、解く順番を工夫したり、問題ごとの時間配分を意識しながら取り組むことで改善できます。
本番の試験で焦らないようにするためにも、できるだけ試験と同じ環境で何度か模擬試験を行い、時間の使い方を最適化していきましょう。
⑨ 間違えた箇所をテキストを読みながら復習する
★間違えた問題こそ重点的に復習する
過去問を1年分通しで解いた後は、自己採点を行い、自分の弱点を把握することが重要です。
特に、何度も間違える問題や、解答の根拠があやふやなまま正解した問題に注目しましょう。
間違えた問題には、自分が理解できていない知識や、曖昧な部分が含まれています。
このような問題を放置してしまうと、本番で同じミスを繰り返してしまう可能性が高くなります。
解説を読んでも理解できなかった問題は、そのままにせず、必ずテキストを開いて確認します。
テキストを読むことで、過去問の解説ではカバーしきれない背景知識や、類似問題への応用方法が学べます。
苦手分野をなくし、本番での失点を防ぐ
間違えた問題を復習するときは、答えを覚えるのではなく、なぜその答えになるのかを理解することが大切です。
試験本番では、同じ問題が出題されるとは限りませんが、出題のパターンや考え方は共通するものが多いため、根本的な理解を深めることが重要になります。
苦手な分野を克服するためには、間違えた問題をもう一度解き直し、正解できるかどうかを確認するのが効果的です。
テキストを読みながら、知識を整理し、次に同じような問題が出たときに迷わず解答できるようにしましょう。
この復習をしっかり行うことで、試験本番での失点を最小限に抑えることができます。
⑩ 過去問を解きながら、テキストも徹底的に読み込む(⑧⑨)を繰り返す
★過去問だけでは合格できない資格もある
過去問を繰り返し解くことで、試験の出題傾向や問題の形式に慣れることができます。
しかし、試験によっては過去問を解くだけでは合格するのが難しいものもあります。
特に、合格率が30%以下の難関資格では、過去問だけで対応できない新しい出題や応用問題が増えているため、テキストをしっかり読み込むことが必要になります。
過去問で正解できたとしても、単に答えを覚えているだけでは、本番で問題の形式が変わったときに対応できません。
そのため、テキストを活用して、なぜその答えになるのかを根本から理解することが重要です。
知識がしっかりと身についていれば、多少出題の仕方が変わっても対応できるようになります。
合格率35%以上なら過去問だけでも合格可能?
資格試験の中には、過去問の出題傾向が明確で、問題のパターンが大きく変わらないものもあります。
このような試験では、過去問を繰り返し解くことで、必要な知識を身につけることができます。
特に合格率が35%以上の試験であれば、過去問を数年分解くだけで合格を狙うこともできます。
一方で、合格率30%以下の試験では、過去問と同じ問題がそのまま出題されることは少なく、応用問題が増えてきます。
このような試験では、過去問とテキストを組み合わせて学習し、知識を幅広く身につけることが大切です。
テキストを読みながら、過去問で出題された内容の周辺知識も学ぶことで、本番での対応力を高めることができます。
過去問を解くことは試験対策の基本ですが、合格するためには、テキストを徹底的に読み込み、知識の理解を深めることも欠かせません。
テキストを活用しながら過去問を解くことで、試験本番での正答率をさらに高めることができます。
まとめ:10ステップで「合格への最適ルート」を手に入れる
勉強法のポイントを再確認
ここまで、資格試験に一発合格するための10ステップを解説してきました。
効率的に学習を進めるためには、過去問とテキストを組み合わせて、計画的に進めることが重要です。
合格を目指すために、次のポイントを意識して勉強を進めましょう。
- 過去問を1問解いてみる(解説を見ながら)
- 5年分の過去問を「1問ずつ」遡って解き、出題傾向を分析する
- 「1問ずつ」から「5問ずつ」にレベルアップさせる
- テキストを開き、過去問で出た知識を補強する
- 過去問とテキストを組み合わせながら、試験範囲全体をカバーする
- セクションごとに学習し、分野ごとの得点力を高める
- 解き終えたら、テキストを使って知識の抜け漏れを確認する
- 1年分の過去問を通しで解き、時間配分を意識する
- 間違えた問題を重点的に復習し、苦手分野を克服する
- 過去問を解きながら、テキストも徹底的に読み込む
この流れで勉強すれば、過去問×2回、テキスト×2回は往復して勉強している状態になっているはずです。
試験本番までにやるべきことリスト
試験直前は、新しい知識を詰め込むよりも、これまで学習した内容を整理し、確実に得点できる状態にすることも大切です。
- 過去問を通しで解き、本番と同じ条件で演習する
- 時間配分を調整し、解く順番やペースを最適化する
- 間違えた問題を復習し、知識の抜け漏れを防ぐ
- テキストを見直し、よく出るポイントを最終確認する
- 自分なりの暗記ノートやチェックリストを作成し、直前に見返せるようにする
試験当日までの残り時間を有効に活用し、確実に合格へと近づけていきましょう。
最後まで諦めずに、合格を勝ち取るための準備を整えてください!
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